5か月ぐらい絵の練習をした件

こんにちは。鷺沢文香と芹沢あさひの担当をしておりますK++OH-と申します。

5か月ぐらい前に絵を練習し始めて、少し区切りがつきそうなところにいるので、ここまでの様子を記事にまとめてみようと思います。

 

 

 

絵描けるようになりてえなあ、なんとなく

オタクは誰しも「絵が上手い人」への憧れを持っているものです。推しの輝く姿を自分の手で描きたい、神絵師としてちやほやされたい、動機は様々でしょうがとにかくこの世界では絵が上手い=素晴らしいことです。

一方、実際に絵を描いてみたもののその難しさに挫折した人もオタクの大半を占めているのではないかと思います。私もその一人です。小学生の時にゴ〇ブリが主人公のバトルアクション漫画を描いていたのものの、「どうしても人間が描けない」という理由で絵を描かなくなり、そのまま大人のオタクになりました。

 

そんな中、この一年ほどで転機がいくつかありました。

まず、iPadを買いました。前まで使っていたAndoroidのタブレットが古くなり、音ゲーしっかりやりたかったというのもあって、ちょうど発売されたてのiPad air 5を奮発して買いました。これが去年の3月です。

音ゲーを快適にシバき続ける中で、iPadといえば絵とか描けるよなあというのを漠然と認識しました。知人や身内の絵上手い人たちを横目に見ながら、「絵描けるようになりてえなあ」という願望がじわじわと膨らんでいきました。

7月になってAppleペンシルを買いました。早速トラフカラッパの絵を描いてみましたが、その後しばらく絵の練習に本腰を入れるには至りませんでした。Appleペンシルは絵ではなくGoodNotesにポケモン関連のメモを書きなぐるのに大変役立ちました。

これが記念すべき初作品

ちなみにこのトラフカラッパすでにそこそこ描けてるじゃないかと思われるかもしれませんが、こういうのはもともと行けたんです。虫とかカニとかそういうのは。ただ人間が描けないんです。今まで人間そっちのけで虫とかカニとかしか見てこなかったせいですきっと。

9月になってようやく決心をした私は、Procreateフルバージョンを購入し、本当に絵の練習をすることにしました。当然今度こそ人間の絵を描けるようになるためです。今や私はただの生物オタクではなくアイマスPでもあり、担当アイドルを描くことの憧れを止めることができなくなっていました。

 

 

 

 

修行の始まり

絵の上達のための練習としてまず思い浮かんだのが「トレース」でした。絵の上手い人がよくトレースしろって言っていたような気がしたのです。

手始めにデレステでスクショした鷺沢文香をトレースしてみました。

こちら「ただトレースしただけ」と言っていますが、実は左右対称ツールを使ってズルをしています。要するに自らの手では左半分しか描いていません。

一方、鷺沢文香といえば瞳が綺麗なアイドルということで、瞳の塗りだけはすでに全力を出しています。この過程で初めて鷺沢文香の瞳の細部を真剣に観察し、新たな世界が見えた記憶があります。

 

ということでしばらくは担当のスクショをトレースして練習しよう(ついでに担当のスクショの宣伝にもなる)となり、モチベーション維持も目的として以下の企画を立てました。

 

 

 

#1日1枚トレース沢文香さん

1日1枚鷺沢文香のスクショをトレースし、Twitterに晒すという趣旨の企画です。よっぽどの用事がない限りどんな雑な絵でも晒すぞという鉄の意志を持ち、サボろうものならフォロワーさんたちが励ましてくれると信じて始めました。

 

それではタグを負いつつその変遷を見ていきましょう。

 

3日目。いきなり死にそうになりました。髪飾り馬鹿かと思いました。軽い気持ちで恒常SSRに手を出しただけなのに。上からなぞってるだけなのに。

 

6日目。初めて服を描きました。あとは陰影も初めて表現しました。この日は休日だったので心も時間も余裕があったようです。

 

8日目。ほぼ全身分の衣装に手を出せるようになりました。また、一度塗った色の上から薄い黒を重ねて塗ることで簡単に影をつけられることを発見しました。なぜか文香界隈から少しRTされて怖くなりました。

 

10日目。SSR勧誘チャレンジで勧誘した古澤頼子さんを初のゲストとして描きました。ただ1日に2人(しかも衣装の割合高い)描くのは完全にやりすぎで本当に地獄だったので、二度とやらないと誓いました。

 

12日目。前日にpSSRあさひを引いたので、初めてあさひの絵をトレースしました。また、これは初めてのあさひであるだけでなく、初めてMVのスクショではない普通のイラストをトレースしたものになりました。当然ながらMVよりも造形が細かく、経験値はMVのスクショよりイラストのほうが稼げそうなので、この後イラストのトレースが増えていきます。

 

15日目。この辺から元絵とトレースの差がぐっと小さくなってきています。

 

20日目。一番好きなあさひの絵をトレースしました。好きな絵を題材にできるほどの自信がついてきたとも言えます。

 

20日目と言ってますが21日目です。ついに元が絵ではなくなりました。個人的にはまだ難しい挑戦かなと思っていましたが、なんとかそれっぽくなりました。初日と比べると成長を感じられます。

 

ここまでのトレース漬けの修業により、Procreateの基本的な扱い、イラスト上での人体の構造、光と影の関係性などなどを理解し、絵を描く速度も向上させることができました。

一方、練習してきたものはあくまでトレースで、有をもとに有を複製するだけの行為です。無から有を生み出す行為への経験値の不足を、この後すぐに思い知らされることになります。

 

 

 

「横顔」を模索する

力の高まりを感じた私は1日1枚トレース沢文香さん企画を終了させ、ゼロから絵を描く段階に入る決意をしました。しかし、意気揚々と真っ白な画面を前にしたとき、何も描ける気がしなくて絶望しました。Geo Guesserで一面のクソ緑の中に飛ばされた時の気分です。

それでもあがきにあがいた結果この世に生を受けた鷺沢文香がこちらになります。

なんかこう、絶妙な表情をしていますね。この時の作者の心情を表しているかのようです。

 

これはあかんということで、とある信頼できる絵描きさんの助言をもとに、先程の絵と同じアングルの文香さんの横顔をトレースしてみました。

このトレースによって髪の質感、ヘアバンドの大きさや向きなど、今まで漫然としてきたトレースでは得られなかった情報がたくさん入ってきました。

得られたものをもとに横顔を描き直してみました。

幾分かマシになりましたね。とは言え当時の私はまだ納得いっていない様子です。

 

 

 

 

推しから学ぶ絵の極意(諸説)

進展はありつつも若干煮詰まっていた私は、絵の上手い人が絵を描く様子を見てみたいなと思い始めました。いわゆる「お絵描き配信」というやつの視聴です。そこで選んだのが、推しのVtuberであり絵がめちゃくちゃうまいことに定評のある「名取さな」のワンドロ企画(1時間で絵を描く企画)の動画です。

www.youtube.com

普段名取の配信なんてゲラゲラ笑いながら見てるだけなんですが、今回だけは一語一句一挙手一投足を逃さないように超真剣に見ました。爆速ですごいクオリティの絵を描いてしまう名取に改めて感服しつつ、配信内での名取の発言に「絵を描くこと」の本質を見たような気がしました。

「なんかこう斜めにするとなんか知らんけどおしゃれに見えるっていう…」

「まつ毛のとこなんかちょっと明るい色おいときゃよく見えんだよ」

「こういうのって大体逆光にしておくと映えるんだよなあ…逆光にすると一瞬で終わるからなイラストが」

「(適当に陰影をつけて)はい立体感出たはい終わりー」

「首のところをガッて影をかけるとなんかいい感じになります」

「意味もなくデカい影を描けると気持ちがいいもんな イラストなんか嘘でいい 嘘でいいから自分で描いていて気持ちいいデカすぎる影を描くとなんか気持ちがいい」

 

なるほど。

この配信を見て、イラストに向き合う絵描きの精神性の一端をつかんだ気がしました。ありがとう名取。名取の雑な発言が一人の絵描きの卵を救ったぞ。

 

なお名取はメインのデビル名取を48分で描き上げて、余った時間で尻尾に絡まってるキョンシー名取を描いてました。筆速いってレベルじゃねえ。

 

 

 

活き始める絵

気が付いたら10月も後半に差し掛かっていました。10月後半といえば10月27日は鷺沢文香の誕生日です。せっかくここまで絵を練習してきたので誕生日イラストを描こうと思ったのですが、まだ凝った絵を描けるほどの力がありません。

しょうがないのでしばらく模索していた鷺沢文香の横顔を自分なりに仕上げ、それっぽくして誕生日イラストとさせていただきました。

 

 

この直後、アイマス合同ライブのチケットが当選しました。大イベントです。

私は年1~2回程度ライブに参戦しながらこれまでやってきましたが、実はプロデューサー文化の象徴ともいえる「名刺」を持っていませんでした。いや厳密には初参戦だったシンデレラ7th幕張に向けて刷ったものがあるのですが、情報が古いため今は使えません。あさひが担当になる前ですし、P名が神のままです。

幻の旧名刺

 

ということで、合同ライブまでに自分で描いた絵を載せた名刺を作るという目標を立てました。今まで名刺を貰いっぱなしだった先輩Pたちにお返しするんだとやる気が出ました。

 

そしてこの時期はもう一つのイベント、アイマス学会 in Online Autumn 2022が迫ってきていました。アイマス学会というのは、簡潔に説明するとアイマスに関するルール無用のプレゼン大会のようなものです。今回のアイマス学会に私は発表者として参加し、鷺沢文香のヘアバンドの多様性について話すことになっていました。資料作成の傍ら、この発表資料に自分の描いた絵を紛れ込ませられないかと、ひそかに画策していました。

結果として、鷺沢文香の誕生日イラストを流用・一部改変した絵を一枚と、完全新規の絵を一枚描き、資料にぶち込みました。

 

アイマス学会の様子はこちらからどうぞ。

www.youtube.com

 

この時期は絵が活躍するイベントが立て続けに起こり、絵を描き見てもらう楽しさを味わいつつ、自分の表現の幅の広がりを感じていました。

 

 

 

アイデンティティ確立へ向けて

この辺のイベントが終わったころ、先ほども登場した信頼できる絵描きさんから「自分なりの絵柄が固まってくると良い」といった旨の助言をいただきました。確かに、これまではとにかく絵を完成させることで精いっぱいで、自分らしさを出すなんて余裕は全くありませんでした。

また、この時はどちらかというと「絵が上手くなること」が練習の目的になっていて、「自分が描きたいものを描くこと」という本来目的であるものを意識できていませんでした。そういえば自分の描きたい絵ってなんだ?という感じです。絵柄の確立は技量的な問題でまだかもしれませんが、絵のテーマや方向性に自分らしさを出していく努力はしてもいいと思いました。

そこで、「これ描きたいな」と衝動的に思ったものをTwitterの下書きにメモするようにしてみました。結果として蓄積した現時点のアイデアリストがこちらになります。

競り沢あさひはちょっとモラル的に描かないかもしれない

なんかしょうもないのばっかりですね。

イデアメモを初めて分かったのが、私の描こうとする絵のテーマに合致する登場人物は鷺沢文香より芹沢あさひのほうが圧倒的に多いということです。このメモの中でも一つを除いてあさひです。唯一の鷺沢文香が観客に向かってカニを投げる絵なのがよくわかりませんが。

どうやら私は「しょうもない絵」を描きたがっているらしいという自己分析をもとに、その衝動の赴くままに何枚か絵を描きました。ただし、この時期はポケモンSVのせいで絵に費やした時間は激減していました。

 

 

 

 

迫る合同ライブ

気が付いたら合同ライブまで1か月を切っていました。やべえ。「合同ライブまでに名刺を作る」という目標を達成するべく動き始めました。

絵のテーマについて、鷺沢文香と芹沢あさひが同じ場所に居合わせた場合何が起こるかを考えた結果、「本を読む鷺沢文香とその本の表紙を覗き見する芹沢あさひ」の光景が浮かび、この絵を描くことに決まりました。

合同ライブまでまだそれなりに時間はあったのでゆっくり描いていきました。鷺沢文香のストールの皺だけで1日かけたりしました。さらに、今までやってこなかった「ぼかし」による表現を採用することにしてみました。「グラデーション」ともいうかもしれません。よくわかりませんがこういうの↓です。

こういうの


試しにやってみたところ、加工に全く終わりが見えないまま時間が過ぎ去り、気付いたらライブ1週間前を迎えました。さすがにそろそろ名刺を発注しないといけません。ぼかしに限らずまだいくらでも修正できそうでしたが、どうせ今の私に理想の絵なんて描けないので潔く踏ん切りをつけて名刺を発注しました。

 

 

 

 

念願の名刺

ということで到着した名刺がこちらになります。

人間が描けている。よく頑張ったと思います本当に。5か月前の私に見せたやりたいです。

 

あとは合同ライブを待つだけ。本当に楽しみです。現地でお会いする皆さんよろしくお願いします。

ちなみにこの記事は予習のためにSpotifyの765ASのプレイリストを流しながら書いております。

 

 

 

 

今後

とりあえず人間が描けるようになりました。まだまだ絵が上手いというには足りていませんが、この調子で練習して、次はもっと立派な鷺沢文香の誕生日イラストを描いたり、もっと派手な名刺を作ってみたりしたいですね。

 

さらなる上達へ向けて、現状課題だなあと思っているのが以下の通りです。

・線が綺麗に描けない。上手い人の絵を見ていると輪郭や髪の毛などの「線」が本当にきれいだと思います。それに比べ私の線はなんかうねうねしてるし微妙です。さらなる試行錯誤を要します。

・背景を描きたい。最初の目標が「人間を描けるようになる」だったために逆に人間以外のものを描かなさすぎでした。背景まで描き切った絵というのを完成させてみたいです。

・絵柄の確立。先ほども言及しましたが、まだ自分なりの絵柄を固められるほどの技量がありません。今後上達とともに考えていくことになると思います。

 

まあこのまま描き続けていればきっと勝手に解決するでしょう。

 

次の9月ごろには「1年ぐらい絵の練習をした件」というタイトルで記事が上がっているかもしれません。お楽しみに。