銀河図書館から見る鷺沢文香の世界観 第0章

KOHと申します。

 

2020年2月22日に開催された第2回アイマス学会 in 札幌にて,「銀河図書館から見る鷺沢文香の世界観」というタイトルで発表をさせていただきました。

本記事は,発表で用いたスライドとその解説をまとめたものになります。

 

発表の様子は後日動画配信されるとのことですが,あまりにも早口でしゃべってしまったので,聞くに堪えない有様だと思います。ごめんなさい。

今回発表資料を記事にまとめたのには,内容をより分かりやすく,的確に,私の気持ち悪い声を介さずに伝えられる場所が欲しかったのと,発表に盛り込めなかった内容も含めて説明したかったという理由があります。

 

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当日の発表スライドです。せっかくなので,記事を書く分には必要なさそうなものも全部載せます。

 

内容に入る前に,少し自己紹介をします。ちなみに,学会当日は自己紹介してから発表する流れができていたのですが,時間的余裕がなかった上,私のことなんかより文香さんのことを知ってほしかったので飛ばしていました。

 

KOHと申します。鷺沢文香を担当しています。

音ゲー目的でデレステを始めてアイマスの世界に入りました。デレステ稼働初期の,Nation Blueのイベントをやっていた頃でした。

最初に引いたSSRが[ブライトメモリーズ]鷺沢文香でした。その後気付いたら担当になり,気付いたらイリュージョニスタ!のイベントで786位になったりしました。

ミリシタは稼働から一年ほどやりましたが,今はやっていません。キャラは全員知っているという程度です。

モバマスは去年の年末辺りから始めました。スターターセット的なやつに文香さんが入っていたのがきっかけです。

ライブは去年の9月の幕張で初めて参加しました。ライブについては中々行くきっかけが掴めていなかったのですが,ひとめぼれしていた久川姉妹がライブに来ると聞いて行きました。最高でした。文香さんもあの舞台に呼びたいですね。

 

ではそろそろ内容の方に移っていきます。

 

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発表は上記の4部構成で行いました。記事も4つに分けると思います。

また,本記事は楽曲「銀河図書館」に関するネタバレを含みます。なぜこんな注意喚起をするかというと,「銀河図書館」という曲は,歌詞などの前情報を一切持たずに聞いた方が良いからです。

もしまだ「銀河図書館」を聴いたことがなくて,ネタバレなしで聴いてみたいという場合は,この先は読まないでください。

 

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この記事では,本題に入る前に,「銀河図書館」の歌い手である鷺沢文香について紹介していきます。

 

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鷺沢文香は,シンデレラガールズに登場する読書が大好きな19歳の女性アイドルです。趣味は本屋めぐり,栞作りとなっています。ここに「読書」と書かない辺り,読書が趣味に挙げるまでもない,呼吸のような存在になっていることがうかがえます。
ボイスはM・A・Oさんが担当しています。
叔父の経営する書店で店番をしていたところを,プロデューサーにスカウトされアイドルになりました。
とにかく読書が大好きで,おとなしくて地味な人物ではあります。しかし,非現実的なほど綺麗な碧い瞳,城ケ崎美嘉をして化粧いらないと言わしめた完成された顔,しばしば誇張して描かれる胸など,暗めな印象を補って余りある暴力的なビジュアルを持ちます。また,過剰なまでの読書により蓄積された知識と語彙もすさまじく,その口から発せられる一言一言が文学になります。こんなホモ・サピエンスがいてたまるかと私は毎秒思っています。

 

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現時点で参加している楽曲は以上の通りです。お陰様で多くの素晴らしいユニット,素晴らしい楽曲に参加させていただいています。

そして,今回の発表で扱ったのが,ソロ2曲目の「銀河図書館」です。

 

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作詞作曲は烏屋茶房氏で,彼自身文香Pであることが公言されています。
With loveに収録されています。見かけたらぜひ購入してください。
曲の長さが6分以上あります。前半4分は普通に歌っているのですが,後半2分にこの曲最大の特徴である朗読パートが入っています。

 

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 「銀河図書館」の朗読パートでは,童話風の短い物語が鷺沢文香によって朗読されます。

主人公は『女の子』と描写されていますが,彼女が鷺沢文香本人を暗示する存在であると考えられます。これについては後述します。

また,前半の歌唱パートの表現によると,この物語は「少女がやがて恋を知るストーリー」であるらしいです。

 

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「銀河図書館」の歌詞には,歌唱パートにも朗読パートにも様々な解釈が存在します。というかあえてぼかした表現を盛り込むことで,解釈の余地が残るようにできています。
ネット上にも多くの考察記事があります。参考資料をいくつか挙げます。(掲載許可を得ておりません。問題があれば削除いたします。)

 

羽鐘そうし氏による考察 http://haganesoshi.jugem.jp/?eid=8 私の知る限り,「銀河図書館」の解釈を最も網羅的に行っている記事です。

ながさわ氏による考察 

http://kamocho.hateblo.jp/entry/2018/07/29/222335

http://kamocho.hateblo.jp/entry/2018/10/09/000819

曲中で最も解釈が難しいと思われる「三行と四文字」という表現に関する考察です。これについても後述します。

あとスライドに書いていませんでしたが,次の記事も参考として載せます。

やけくそ氏による考察 http://ykks.hatenablog.com/entry/2018/07/21/230300

 

このように様々な解釈がなされてきたわけですが,ここで強調しておきたいのは,これらの解釈に「正解」はないということです。

例えば,今挙げた羽鐘そうし氏の解釈と,これから私が紹介する解釈は,特に歌唱パートにおいて大きく異なるものになっています。だからと言って,氏の解釈を批判するつもりは全くありません。むしろ私なんかの解釈よりも徹底的に考察されていますし,筋が通っていて素晴らしい内容だと思います。

先人たちの「銀河図書館」,私の「銀河図書館」,皆さんの「銀河図書館」,みんな違ってみんないいんです。そしてそのどれもが正解ではないと思います。

「銀河図書館」のリリースから1年半がたった今,あえて歌詞の考察を行って発表したのは,「銀河図書館」の可能性を広げたかったからです。「銀河図書館」はたった1年半で片が付く曲ではないのです。もっと色々な「銀河図書館」があっていいと思います。

私はここで私なりの「銀河図書館」を書いていきますが,逆に皆さんなりの「銀河図書館」をもっと聞いてみたいとも思っています。そして様々な「銀河図書館」を生むことが,鷺沢文香をより深く知ることにつながると考えています。

 

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ということで,本発表は銀河図書館の歌詞,特に朗読パートを重点的に解説することを目的としました。また,銀河図書館の歌詞を通して,鷺沢文香の世界を垣間見ることも目指しました。

 

次の記事では,歌唱パートの解説を軽く行うつもりです。